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2004年10月17日

タンポポ紳士録(準備はいいかい?)

旅立ちにはもってこいの日和だ

風は南南東
ロウソク工場の煙から推測するに風速は2m
30cmより遠くへは
誰も運んじゃくれない

みんながうらやむほど
上手に飛べるわけじゃない
辿りついたって
コンクリートの上かも知れない

それでも今日
旅立つ

宿命でも
運命でもなく
それがタンポポという
生き様だから

SN310007.JPG
(au W21S / Sony Ericsson にて撮影)

2004年7月25日

かぞえて

信号待ちの残りを教えるシグナル

携帯電話の着信履歴

窓を過ぎる鉄柱

サボテンのとげ

読んでいない本の背表紙

あなたにつたえたいことば

あなたからもらったさやしさ

遠くまたたく星々

打ち寄せる波

死んだ夢の年齢

蝉の脱け殻

ゆっくりと数えてみる

気まぐれな風に旅立った
タンポポの綿毛たち

2004年5月20日

この大地の深くに

太陽をたくさん浴びようとロゼッタに広げた

ちいさな自分が
雨でながされないように
背伸びした分
地面に足を差し込んだ

春の終わり
生まれ変わる季節
大地の深くから吸い上げた
いっぱいの夢を
綿毛にのせて
風にのせて

誰にも知られず努力したから誰よりも遠くに夢を飛ばすんだ

2004年3月28日

タンポポ紳士録(桜の季節)

春を告げる使者は黄砂
雪柳は季節の妖精
あらゆる成功者が
出発の時に見上げる
桜の花
人よ昼も夜も彼女を見上げ酒を飲めと
暖かい日差しが告げてまわる

  だけどみんなのあしもと
  高い空を見上げて咲いているよ!
  ただの黄色い花だけど
  誰よりも強く生きているよ!

T01038.jpg

2004年3月20日

タンポポ紳士録(ほんとうのあなたよとわに)

埋没林
自分のあさはかな夢の一束

辛辣な意識の暗雲に惑う
やりきれぬ鳥の一群

なぜ狩人のように追い求めないのか
矢を捨てて荒野をさまようのか
自分を閉じこめる檻は
自分の過去で作られているのに

 さびしいのなら  くちぶえをふけ
 かなしいのなら  なみだをながせ

(心の奥 タンポポの いのちとばして
  昨日とか 明日ではない 今日だけの生き様を見せて)

遠い国の盆地に満ちた 朝霧をついて聞こえるうたごえ

思い出して 
月に照らされて
君が一番君らしい
アルビレオの星踊り


2004年3月15日

タンポポ紳士録(冬のタンポポ)

季節の雨が激しく淋しく舞い降りる
音も立てずに叫ぶ
今日までの惜念

輝くため息の色に染まった雲
あなたとの間に
愛以外の何かが存在したから
あのコバルトの蜻蛉は
雪が降るまで死ぬことはない

透明なタンポポの綿帽子
ひとひらも飛ばすこともなく
嵐はいってしまったから
私はもう
あなたをさがして旅立つことは
もうない

すべてのもの失って
それでも咲こう
かならず来る季節のために

2004年3月10日

タンポポ紳士録(透明な漆黒)

あなたが髪を切ったとき
あの社の向こうの深々とした森の
星達を抱いているかのような
木漏れ日のきらめきに

その漆黒が落ちて
わずかな風が
通り過ぎる 

「森はいいよね、わがままだけど素直だから。」

不思議な横顔を見せて
そのまま黙り込むあなたが
森になっていく

目の前にあるのに
すべてに触れることは叶わない

木陰と日だまりの境目に
今日も空を仰ぐ黄色く小さい花
それが私とあなたの
胸のうちに秘めたあたらしいきめごと

2004年2月15日

タンポポ紳士録(飛翔する種)

はじめてこころのなかに
さいたたんぽぽのはな
かぜにからだをばらまいて
ぶんしのように
げんしのように
そりゅうしのように

たびにでるたび
かけらひろいあつめるたび
(霧がするどい稜線を越えていく)
とうとうこんなところまで

さあこれがそらだ
きみとぼくが
じゅうごさいで
ゆめにまでみたきょだいなそらだ

(すべてのかけらここにおきざりにして)
(ゆくえをなくしたみらい)

2004年1月28日

タンポポ紳士録(5)

アカミタンポポ(Taraxacum albidum Dahlst.)

街で見かける小型の外来種のタンポポは西洋タンポポでない場合が多いようです。

ヨーロッパからやってきた赤褐色の種子を持つアカミタンポポは、歩道のタイルの隙間や、 花壇のわずかなスペースにしっかりと根を張りたくましく花を咲かせます。みなさんも、早足で歩く足下の、アスファルトの隙間に咲く小さなタンポポに出会ったことがあると思います。田畑や野原を捨て、街に咲くタンポポ。私たちはアカミタンポポのように街の雑踏にまみれて過ごす。どこかで何かをあきらめて いるのでしょうか。こんな生活も悪くないよと自分をごまかして。

でも、そんな小さなタンポポでも、夢見るときはその種を風に乗せて遠くへ遠くへ運ぼうとします。たどり着く場所に土があるとは限らないことは知っていても。それでも実をつけ、綿毛を広げます。

私たちも、あきらめることなく夢の綿毛を風に乗せて遠くへ飛ばしましょう。きっと、どこかにたどり着くと信じて。


2004年1月26日

タンポポ紳士録(4)

シロバナタンポポ(Taraxacum albidum Dahlst.)

 いつも彼女と出会うのは、山の裾野の空き地でした。花の咲くシーズンに訪ねると、美しい白い花を木漏れ日の降る道ばたに輝かせています。ちょ っと大柄な姿、薄い緑色の葉っぱをコーディネートするセンス。群れることなく咲くその姿がとてもりりしくて好きでした。

しかし、その美しい姿とは裏腹に、彼女は単為生殖で種を作るタンポポ。

孤独な愛だけを慈しんで綿毛を旅立たせる、そんな悲しさが彼女の花びらを白くしてしまったのかもしれません。

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