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2004年10月10日

あのポスト

学生時代に旅した外国で
たくさん手紙を書いた
両親や兄弟や友人へ

砂漠に近い
ひどく乾燥した扇状地の街
ボロっちいホテルの一室で
二度とはき出せないような
甘い寂しさの詰まった手紙を書いた

大切な女性に

ホテルの受付カウンターに組み込まれた
古ぼけたポストに
それは必ず投函された
私がその細い隙間の奥に
手紙を押し込んだのだから

結局、その手紙だけが届いていなかった
詰められた言葉はどこに消えたのか

ふと、夕日に染まった岩山の見えるホテルを
思いかえす
手紙はまだあのポストの中のあって
勇気を振り絞った私の言葉を
人知れず抱えているのかも知れない
そしてポストはこの胸の中にあって
あの暗闇とつながっているのかも知れないと

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コメント

こんにちは。
詩とタンポポのカテゴリー、読ませていただきました。
詩を書くと、自分の思いを想像の世界でいろいろ動かすことができますよね。自分が生きていない人生も生きることができるように思います。

この手紙、どこへ行ってしまったのでしょうね。
この胸の中にあることだけは確かですよね。
もしかしたら大切な女性に届いているかもしれませんね。
郵便ポストというのは不思議な存在です。
すべてを包み込む闇みたいな存在です。

これからも記事を読ませていただきます。では、また!

chiikoさん、コメントありがとうございます。

ポストってとっても闇ですよね。自分の言葉をその闇に置き去りにして、配達されるのを待っている自分。
永遠にその闇に置き去りにされた言葉があったとすれば、それはどこに届くんだろうとか。

そんな感じの詩のつもりです。

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